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第1次産業就業比率の減少は、後継者の他産業への流出が原因と思われる。第2次産業と第3次産業の就業者比率は増加しているものの、就業者そのものが減少していることもあり、人数はそれほど増えていない。これは、就業構造の変化に対応した就業の場が不足していることを示している。

 

第3 ウミガメを生かした地域振興事業の概況
1 ウミガメ保護の歴史
(1)中学生が研究
日和佐町におけるウミガメ保護の歴史は48年にさかのぼる。この年、日和佐中学校の理科担任の酒井正温教諭が生徒とともに、ウミガメの研究を始めた。生徒たちは卵を採取して、研究のために飼育した。生態研究は近藤康男教諭が引継ぎ、同中学の科学クラブ・ウミガメ研究班の手で研究を継続した。
60年には日和佐町立水族館が完成し、飼育を町が引き継いだ。翌61年には飼育だけでなく、研究も町が引き継いだ。

 

(2)行政上の保護、規制
国は、大浜海岸に上陸するウミガメとその産卵地を67年に天然記念物に指定した。これより前、58年には、徳島県が天然記念物に指定している。
徳島県が漁業調整規則をもうけたのは60年である。調整規則は、35条でウミガメとその卵を5月1日から9月30日の間は採捕してはならないと定めている。

 

2ウミガメ保護の現況
(1)日和佐町ウミガメ保護対策協議会
ウミガメ保護で中心的な役割を果たしているのが、日和佐町ウミガメ保護対策協議会である。すなわち、ウミガメ保護の基本的な方針はこの協議会が決める。協議会は、日和佐町、徳島県水産試験場、牟岐警察署、日和佐町漁協、日和佐町町内会連合会、日和佐町観光協会、日和佐町商工会など町の主要団体で組織しており、町ぐるみの組織である。
毎年、上陸シーズン前に協議会を開き、保護と規制の方法を確認している。産卵前のカメは警戒心が強く、浜に人がいて騒がしいと上陸せず、引き返す。光や騒音が産卵行動を妨げる恐れがあるからだ。
規制期間は96年の場合、5月20日から8月20日までだった。主な規制(図表5)

 

 

 

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